一向に落ち着きを取り戻さない株式市場。このツイートを見てはたと疑問に思いました。
みずほ証券は、
— Ryuta Ichinose (@ryu_progressive) March 17, 2020
①東京五輪が中止または延期
②米国経済が大きく減速
③日本の鉱工業生産が2008年金融危機時並みに3割減少
④1ドル=100円が継続
を前提とした場合、2020年度の東証1部企業の経常利益は前年比で21.5%落ち込むと予想。
この場合、日経平均株価のフェアバリューは15,000円〜16,000円。 pic.twitter.com/uMKzcx80Me
経常利益二割減予想ですか。大きな額であることは確かですが、予想が妥当なのか否かよくわからんw 配当金総額もおおよそそれに沿って動きますよね、きっと。
コロナショックで配当はどれだけ減るか?
配当金生活者、アホールド投資家としては、株価はいくら下がっても構いません。配当が減りさえしなければ...(減らないわけないけどw)
以前、リタイア決意前に調査した際は、リーマンショック時を参考に「最悪でおよそ半減」という数字を弾き出しました。時間が経過し、何をもってそう判断したか記憶も曖昧になったので(おい)改めて確認してみようと思います。
結論を先に言っちゃうと、リーマンショック時は「2、3割ダウン。最悪5割ダウン」でした。だいたい合ってたw
リーマンショックでの分配金の減りっぷりは?
日本株
日本株ETF (TOPIX,日経225)の分配金を調べる
日本取引所グループのサイト link でTOPIXおよび日経平均を指標とするETFのうち、リーマンショック前から上場されている7銘柄をピックアップしました。
手法
2007年〜2009年の分配金最高額の年を「山」とする。
2009年〜2011年の分配金最低額の年を「谷」とする
「山」→「谷」のダウン率を算出する。
結果
分配金のダウン率、7銘柄平均で 37%。
TOPIXを指標とした3銘柄の平均は 44%、同日経225の4銘柄では 32%。
最もダウン率が低い銘柄では 17%、高い銘柄では 65% とかなりの差がありました。一応詳細を貼っておきます。
銘柄間の差はほとんどないと予想していたのでこの結果は予想外でした。
「日本企業の配当総額の推移」を見る
全上場企業ベースの日本企業の配当総額の推移、というどんぴしゃな調査がありました。Quickのデータを基に三井住友アセットマネジメント作成、だそうです。さすが!画像出典 link
これだと 山2007年、谷2009年、ダウン率 23.6%です。先ほどの国内株式ETFよりマイルドな下げですね。
あと国内株式ETFの分配金調査では7銘柄中6銘柄で2012年〜2013年に二番底をつけていました。東日本大震災の影響と思われます。それなのにこちらだとそれが見られない。調査対象が違うから、と言ってしまえばそれまでですが、そんなに差が出るものなのかなー
米国
米国株ETFの分配金を調べる
VTI…バンガードの米国株式ETF
VYM…同じくバンガードの米国高配当株式ETF
調査方法
いつぞや覚えた ETFreplay.com でさくっと調べられました。ありがたや。メニューのTools→Basic Tools→「ETF Dividend Yield」です。
いつぞや↓
結論
両銘柄とも四半期ごとに配当があります。四半期ベースだとダウン率は
VTI 42% (山2007年4Q : 谷2009年2Q)
VYM 43% (山2007年4Q : 谷2009年3Q)
同じものを先ほどの日本に合わせ年間ベースで見ると
VTI 15%(山2007年 : 谷2009年)
VYM 24%(山2008年 : 谷2010年)
ここまでのおさらい
みずほ証券の2020年度予想
(一定の条件の下)2020年度の東証1部企業の経常利益は前年比 -21.5% と予想。
リーマンショック時 国内
三井住友アセットマネジメント集計「日本企業の配当総額の推移」では配当 -23.6%
リーマンショック時 米国
米国株ETF分配金 VTI -15%, VYM -24%
考察
時間軸
米国株と日本株のうち三井住友アセットマネジメントの調査では、配当金は山の2年後に谷をつけその後一貫して伸び続けていました。
国内株式ETFの集計では震災等の影響でもたついていたものの、アベノミクス以降は順調な伸びを示していました。
適切な対策が取られ問題が解決すれば...回復は期待できますが。問題はコロナウイルスの影響がいつ除去されるか次第です。年単位の長期戦も予想されますが、なんともわかりませんね。
下げ幅
ざっくりいうとリーマンショックの配当金への影響は二〜三割から最大五割ダウンでした。原因が全く異なるリーマンショックを参考にしていいのか悪いのか。
あえて同様と仮定すれば、初年度二割下げて山の80%。翌年度もさらに二割下げて山の64%。以降は回復へ。と、それくらいで収まれば御の字と覚悟しておきます。
自分でできることは?
とにかく自分にできることをする。手を洗って、密集密閉の集会の場を避ける。資産運用は安全方向で。そんなとこですね。相場で一発当ててやろうという野心はありません😥
末筆になりましたが全世界の新型コロナ肺炎犠牲者のご冥福をお祈り申し上げます。